2024.7.9
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1923年東京生まれ。1940年代末にシュルレアリスムからの影響を色濃く窺わせる写真作品《いたましき物体》を発表し創作活動を開始。1950年代にはインターメディアの前衛芸術グループ「実験工房」に参加。さまざまな芸術ジャンルのアーティストと交流し、20世紀末まで約半世紀にわたり制作と思索の営みを続けた。同時代芸術の貴重かつ膨大なドキュメントを撮影したことでも知られる。長年携わった写真教育の場でも重要な業績を残し、高梨豊、潮田登久子、牛腸茂雄、畠山直哉をはじめ多くの優れた才能を見出し、世代を超えて感化を及ぼしあった。また、写真というメディアの特性と新しい表現への可能性を考察した優れたエッセイを数多く執筆。主著に『写真ノート』(美術出版社、1989)。代表作に《陳列窓》(1956)、《無言歌》(1956)、《東京むかし》(1967)、《日が暮れる》(1975)ほか。2001年に逝去。享年78。
武蔵野美術大学 美術館・図書館が所蔵する「大辻清司フォトアーカイブ」は、写真家大辻清司が生涯にわたって制作した写真プリントやその原板を含む撮影フィルム、それらの裏付けとなる作品掲載誌、思考の原点となった旧蔵書のほか、撮影機材や暗室道具といったモノ資料も含まれており、ひとりの写真家の創作活動をほぼ網羅する、唯一無二のコレクションです。